アコナイトの物語
初めてアコナイト(トリカブト)を目にしたのは
家族と夏に長野の栂池高原を歩いている時でした。
標高の高いところで、夏でも雪でできた天然クーラーがあるような場所です。
山道を通ってロープウェイを乗り継ぎますが、
その道中で道から外れたところに背の高い真っ青なアコナイトの花を見つけました。
遠くから見ても
その鮮やかさは鮮明です。
アコナイトは花の形が僧侶の帽子に似ていて
"monkshood"「僧侶のかぶりもの」とも言われますね。
日本の三大有毒植物の一つで、含まれる毒のことも知っていましたが、
思わず見とれてしまう美しさがありました。
アコナイトはホメオパシーと出会ったときに
初めに学ぶレメディです。
そのキーワードは「突然」。
突然起こった症状のすべてに使えるレメディです。
怪我、精神的ショック、発熱など。
ぎっくり腰やアクシデントは突然起こりますから良さそうですね。
ホメオパシーのレメディは一般的なお薬のように
咳には○○○、発熱には△△△、というように
病名では選ばないということをアコナイトは
教えてくれる、分かりやすいレメディです。
キーワードで選んでいくレメディは
初めて出会う方々には衝撃的、または理解しずらい、
印象を与えます。
せっかく購入したキットが押し入れの中に入れっぱなしなってしまう場合は、
このキーワードで選ぶ方法をうまく理解していないことがほとんどです。
使い方に迷ってしまい、
うまくレメディがヒットしないのは、
このホメオパシー独特のそれぞれのレメディが持つキーワードを
曖昧にしてしまっているからです。
ハンドブックの通りに使ってもうまくいかない、
誰かの体験談の通りに使ってもうまくヒットしない、のは
一般的なお薬のように
咳には○○○、発熱には△△△、というような使い方をしてしまうからです。
アコナイトを使うたびに、
ぜひ初歩を思い出してみましょう。
ホメオパシーのはじめの一歩は、
同種療法(Homeo pathy)であること、
Similia Similibus Curentur (似たものが似たものを治す)、であること。
その治療に使うレメディとはプルービング(実証実験)によって
健康な人に与えた結果得られる情報から成り立つことから、
その情報に似たものを治すことができる。
だから、
レメディは病名では選ばない(選べない)
キーワードが合えばどんな症状にも使える、ということ。
アコナイトは初心者の方にホメオパシーの基本を教えてくれるレメディです。
そして何年も使っている経験者にも再び多くのことを教えてくれるレメディです。
アコナイトの花のように
決して色あせることないその基本(哲学)の力強さは
何度でも、繰り返し私たちを呼び起こし、目覚めさせてくれますね。
ホメオパシーのレメディは自然界のあらゆるものから作られます。
夏になったらぜひアコナイトを見に高原にお出かけくださいね。
レメディのもとになる生きている原材料を知ることで、
マテリア・メディカではない、文字情報以外のことを
五感で感じ取れるはずです。
座学だけでは終わらない広く深い世界にホメオパシーを通して
触れて行きましょう。
いつでもホメオパシーはその入り口に立っていてくれます。
マテリア・メディカ
全体の特徴:その症状は急性で、激しい。症状は突然現れる。急性の炎症やうっ血のレメディ。突然の脱力と虚脱。
悪化:不安、ショック、寒く乾燥した天候、冷え
好転:外気、休息、温かい汗
精神:多大な不安。苦渋に満ちた不安と落ち着きのなさ、死への恐怖、恐怖から叫ぶ、うめく。非常な恐怖に襲われる。
頭部:熱い、灼熱感、脳が沸騰しそうに熱い
目:眼球がうずくように痛い
耳:音に非常に敏感、耳の中に水が入っているような感覚
鼻:匂いに極端に敏感、熱い微量の熱っぽい鼻汁が出る
顔:不安な表情、熱く、熱いほお
口:健康な歯が痛む、水以外のすべてが苦い、口の中が焼けるよう
喉:赤い、熱い
胃:焼けるような激しい喉の渇き
腹部:便に血が混じる、暑い日の子どもの水のような下痢
女性:多血質の患者の、恐怖または寒さによる月経の抑圧。月経が始まると狂ったように激怒する。
呼吸器:しわがれた、乾性の、クループ性の、激しい咳、発熱を伴うクループ、肺が熱く感じられる。
心臓:はれているように感じられる
首・背中:背中の痛みのため深く息を吸えない
四肢:左腕のぐいっとする痙攣、手のひらが熱い
皮膚:乾燥、熱い
睡眠:悪夢、不安な夢
熱:高熱と乾燥した灼熱感
補完レメディ:Coff. Sulph.
関連レメディ:Bell. Cham.Spong.